前回は総務省が実施した消費者に対する5Gのアンケート結果を見ながら話を進めていったが、今回は逆に企業側目線での意識調査結果を見ていきたいと思う。

 

消費者目線では、いまだ浸透していない5Gだが、消費者をターゲットにして利益を出す企業側であれば、きっと一般人よりも理解が進んでいることに違いない。

総務省のデータから見る企業の意識

いつの世も、時代の変わり目には大金が動く。かつて鎖国をしていた我が国が開国によって貿易が盛んになったように、5Gは、もはや黒船を超える出来事に成りうる。

5Gそのもに対する企業の関心

企業から見た5Gアンケート結果

引用元:https://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/whitepaper/ja/r02/html/nd124220.html

 

製造・情報・インフラ・流通・サービスなど、複数の業種ごとに分けて5Gに対する意識調査をおこなった結果がこの画像である。

 

残念ながら全体の約30%が5Gに対して興味を示しておらず、自社とは関係のない出来事だと考えているらしい。しかし、図の一番右2つのグラフを見ていただきたいのだが、やはり大企業ともなると、最先端の技術をなんとかして利益に結び付けないかと積極的に検討している様子が見て取れる。

 

説教のように聞こえてしまったら申し訳ないが、こういった意識レベルの差が企業の成果に直結しているのだろうと、私は思ってしまった。

 

古い考えは捨て去り次世代への道を

日本の中小企業の中では、いまだに「IT」という言葉が自分たちとは無縁であると信じている部分があるが、もはやそう考える社員は会社の荷物になっていると自覚してもらいたい。少子高齢化問題の真っ只中であるこの国に一番必要なものは、合理的な生産性の向上である。

 

少ない労働者がより効率的に利益を生み出せなければ、やがてこの国は今よりももっと悲惨な運命を辿ることだろう。なぜGDPが30年間に渡って停滞してきたのか、ということをよく考えてもらいたい。

企業が5Gの何に最も関心を持っているのか

続いては、企業が最も興味のある5Gの内容に関して調査した結果だ。

企業から見た5Gの内容アンケート結果

引用元:同上

「超高速・大容量(従来よりも格段に優れた高速通信)」に最も興味を寄せている企業は全体の約70%に上り、次点で「超低遅延(ヒトがタイムラグを感じることのないレベルの情報伝達速度)」に最も関心のある企業が約50%となっており、「多数同時接続(同時接続が可能な端末数の増加)」に関しては約40%となった。

 

比率で言えば、このようになる。

  • 超高速・大容量 約44%
  • 超低遅延 約34%
  • 多数同時接続 約28%

やはり従来の100倍のスピードで情報をやり取りできるようになるという部分には、どの企業も大体同じような反応を示しているものの、多数同時接続という部分に関しては、あまりビジネスに反映できるかどうか分からないと考えているらしい。

 

5Gに関心のある企業は冷静かつ客観的に検討しているという事実

たしかに多数同時接続という部分を見てビジネスチャンスだと思う企業は少ないだろうが、3つのどの要素に関しても一定の関心を示していることがグラフを見れば分かる。一極端になっていないということから、5Gに関心のある企業には十分期待できる。

企業は5Gにどんなビジネスチャンスを期待しているのか

続いては、どんな場面で5Gを活かしたいかというアンケートに対する回答である。

企業が5Gを活かしたいと思う場面のアンケート結果

引用元:同上

最も多かった回答は「サービス開発(エンターテイメント関連)」やはり新しい技術が生まれれば新サービス提供へと直結するためこれは当然と言える。次点は「屋内・屋外の生産、製造現場」という回答であった。

 

残念ながら私は製造業に詳しくないので、具体的にどのように製造現場で5Gを活かせるのかは分からない。ただ、もしも5Gがきっかけで工場内のあらゆる機械をネットに繋ぎ、遠隔操作することができるようになれば、生産性が今よりも大幅に上がることだろう。

 

日本では、まだまだ手作りで商品を組み立てている工場が多いため、この自動化が進めば、平社員は機械を管理・メンテナンスする仕事へと昇格し、同じような単純作業を延々と繰り返すというライン工が減っていくかもしれない。

 

そして3番目に多かった回答は「保守・メンテナンス」である。これは単純にIT関連事業において5Gの技術的進歩が直結するからであろう。

 

今後伸びる企業はすでに5Gを見据えビジネスチャンスを狙っている

昨年、携帯電話の通信事業を手掛けている大手企業が5Gが到来するという旨のテレビCMを出した。私もそれを見て初めて5Gという言葉を知ったのだが、あれから1年以上経ち、いまだに5Gが普及する様子はない。まだまだエリアが限定的過ぎるため、浸透していないのは仕方がない。

 

しかし、ビジネスチャンスを掴める企業というのは、常に一般人よりも先を見据えて行動しているため、今回のような図の通り、なんとかして新しい技術を我が社で活かせないかと試行錯誤しているものだ。

 

「新しいものを取り入れて利益に結び付ける」

 

この行為は、人間が原始の時代からずっと繰り返してきた【適応】という言葉と全く同じ意味ではないだろうか。それが分からない企業は、この先、他の会社に競争で負け廃れていくことが目に見えている。